田中秀雄『朝鮮で聖者と呼ばれた日本人』重松髜修物語

2010年4月18日日曜日

朝鮮農村物語 我が足跡

昭和16年に創刊された「朝鮮農村物語」。

ブログでの紹介を始めてまだ3日ではありますが、
多くの皆様にご覧いただき私自身大変驚いております。

ありがとうございます。

本日より本編をアップしていきます。

少しずつではありますが、ぜひご覧ください。


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我が足跡

 「我が足跡」は私の金融組合生活を書いたものである。大正八年の早春、突如平和な朝鮮に、例の万歳事件が起った。その当時、若い理事であった私は、平南陽徳で右腿部に貫通銃創を蒙った。それからもう十年という月日が流れたが、私はとうとう跛者になってしまった。
 私は今も尚理事として第一線に立っている。辺境蕭條の夜に、あれを思いこれを考えるとき、甚だ感慨に堪えない。この「我が足跡」はその感想の断片と十年に亘る私の組合生活の一部を拙い筆に依って綴ったにすぎないのである。

  昭和三年九月二十六日
  於 平 南 江 東
著       者

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