田中秀雄『朝鮮で聖者と呼ばれた日本人』重松髜修物語

2010年5月24日月曜日

朝鮮農村物語 我が足跡 再生 3

 慈恵医院の前に自動車が着くと、そこには関田理財課長や佐藤連合会理事や、私が初めて本道に赴任してとき出迎えてくれた高見君が今は連合会の職員となって出迎えてくれた。私はみんなの顔を見ると、急に悲しさが胸いっぱいに込み上げてきた。

 その日は既に時間後になっていたので、ただ包帯の巻き替えだけし、私は輸送車に乗せられて、長い廊下を白衣の看護婦に、ゴロゴロゴロゴロとと引きまわされて、遂に西室の四号に収容され、茲に淋しい病院の一夜を明かした。

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